適応障害に陥りやすい思考パターンと、症状が長期化した時の過ごし方


こんにちは、メンタル心理カウンセラーのみほ(@mindow.jp)です。

いつもお読みいただきありがとうございます♪


「夫が適応障害と診断されました。

サポートしたい気持ちはあるのですが、どうしても理解できません。

適応障害になってしまう原因などが知りたいです。」

「適応障害で休職してしばらく経ちます。

何もしないのはいけないと思い、最近焦りや不安感が募ってします。

休職中の過ごし方で何かやるべきことなどはありますか?」

とお悩みではありませんか?


本記事では

  • どうして適応障害になってしまうのか

  • 症状が長期化して動けない時にやるべきこと

という内容で解説していきます。


本記事を読むことで

  • 適応障害に陥りやすい思考パターン

  • 適応障害を改善する上で大切な3つのポイント

が分かります。


⬇︎もくじ[開く]を押すと、好きなところから読み始められます♪

どうして適応障害になってしまうのか

以前、本ブログで

「適応障害はもともと適応力が乏しい人ばかりがなるものではない。

むしろ前向きで適応力に優れているような人でも適応障害になりうる可能性がある。」

という話をしました。


もっと詳しい内容が知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。

症状を悪化させる5つの思考パターン

適応障害になりやすい人は、ある特定の思考パターンを持っていることが分かっています。

それは以下の5つです。


①自分を否定的に評価する

②完璧主義者

③自分は無力だという思い込み

④1つ悪いことがあると全部悪いとみなす

⑤自分と他人の境界線が曖昧


では、順に説明していきます。

①自分を〇〇〇〇評価する

自分を否定的に評価します。

どんなに優れた長所があってもそれを否定的に捉えています。

「自分には価値がないから誰からも愛されない」

「自分のことなんか誰も助けてくれない」

という思い込みが加速することで結果的に行動が萎縮して、本当否定的な結果しか生まなくなります。


②完璧主義者

小さい頃、親から条件付きの愛情しかもらえなかったことが要因で、

「完璧にこなさなければ自分は認めてもらえない」

という思い込みが刷り込まれています。


やるべきことが増えすぎてパンクしてしまうと、

「完璧じゃない自分は無価値だ…」

と思って自分自身をサポートしきれなくなります。


③自分は無力だという思い込み

自分は無力だという思い込みがあるため、すぐに人に頼る癖があります。

  • 過保護な親に頼り続けたり

  • 支配的な親に、自己判断する機会を奪われたり

したことによって、

「自分は対処する能力がないから人に頼らないと生きていけない」

と思い込んでいます。


④1つ悪いことがあると全部悪いとみなす

うまくいかないことが1、2回続いただけで

「もう永遠に良いことなんか起こらないんだ…」

と思って諦めて絶望してしまいます。

目の前の良いことには目を向けずに、悪いことだけを見てしまう傾向があります。


⑤自分と他人の〇〇〇が曖昧

自分と他人の境界線が曖昧です。

相手の主体性を尊重する関わり方ができず、自分と相手の立場を混同してしまいます。


また、事実と自分の感情の境目も曖昧になりがちです。


  • 自分とは無関係のことに対して自分が原因だと思う

  • 自分に原因のあることを周りのせいだと感じる

  • 自分の感情だけで物事を勝手に決めつける

といったことがしばしば起こります。

適応できない人は〇〇が不安定

新しい環境にうまく適応できない人は、人との繋がりをスムーズに持つことが苦手です。

つまり、対人関係で問題を抱えやすいということですね。


愛着が不安定です。


「愛着」がよく分からないという方は、下記の記事にて詳しく解説していますので参考にしてみてください。

ご自身の子供の頃に当てはめて読んでください。



この愛着スタイルは、小さい頃の親(または養育者)との関係で土台が作られます。


小さな子供にとって初めて出会う「社会」が親(または養育者)ですので、

その関係に何らかの問題があると、大人になってからも他者との関係でつまづきやすくなります。


対人関係だけでなく

  • 物事の受け止め方

  • 行動パターン

  • ストレスへの耐性、敏感さ

なども愛着スタイルが強く影響していると言われています。

ネガティブ思考が癖になっている方は、下記の記事で改善法を紹介していますので、一緒に読んでみてください。





なので、もし現在ご自身またはパートナーが適応障害と診断されている場合、

一度親との関係を見直してみることも、適応障害を根本的に改善・治療していく上で大切なプロセスの一つになりますので、ぜひやってみてください。

ストレスへの反応には3タイプある

不安定な愛着を持っている人は大きく3つのタイプ(安定型、不安型、回避型)に分かれます。


それをさらに細かく分類すると抵抗型と混乱型も加わるのですが、今回は説明は割愛させていただきます。


安定型、不安型、回避型、どのタイプの愛着スタイルを持っているかによって、

  • ストレスに対してどれだけ敏感か

  • ストレスのかかる状況でどう反応するか

が変わってきます。


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以下の解説で、ご自身またはパートナーの現在の反応に近いもの探してみてください。


[安定型の場合]

安定型の人はもともと他人を信頼し心を開いた関係を持つことが上手な傾向があります。

ストレスにさらされても、

  • 自己主張をきちんとする

  • お互いに尊重した対等な関係を築ける

という反応を取ることができます。


もちろん不当なことには怒ることももありますが、それは問題解決をして関係をより良いものにしていくのに役立っていることが多いです。


自分が怒ったことによって、対人関係が修復不可能になるまで悪化するということはあまりありません。


[不安型の場合]

  • 自分はいつか見捨てられる

  • 他人から嫌われたり、否定される

という不安が強いので、相手に過度に依存したり、関係のない場面で怒りをぶつけたりします。


例えば、

  • サポートしてくれている相手を疲弊させる

  • 信頼関係を壊すようなことを言う

などです。


ストレスのかかる状況にさらされると、

過度に騒ぎ立てて周りを巻き込む
     ⬇︎
周りの力を使って問題解決しようとする

という傾向が見られます。


[回避型の場合]

回避型の人は、表面的な関係を好みますので他人と親密な関係を持とうとしません。

そのため、何か大きな問題が起きても自分は知らん顔という態度を取ることもあります。


環境の変化などでストレスに耐えきれなくなると、

問題自体に蓋をして(なかったことにして)自分が傷つくことを避けよう

と考える傾向があります。


大きなストレスに気づいていない、もしくは気づかないふりをすることもあり、いざ気づいた時には身体に影響が出ているということがあります。

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症状が長期化して動けない時にやるべきこと

現在のストレスへの適応度を知ろう

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適応障害と診断されて、現在休職中でゆっくり過ごされている方もいると思います。

ここに至るまでに様々なストレスに苦しめられてきたことと思います。


  • 自分の願望と現実のギャップの間の葛藤

  • 仕事はうまくいっていたが、自分が有能だと思えなかった

  • 能力を正当に評価してもらえず、仕事への意欲をなくした

などなど…


自分の人生に意義を感じられないと、「退屈な人生」「虚しい人生」になってしまい、適応とは程遠い状況になってしまいます。


そこで、今回は生きがい度をチェックできる「PIL(Purposer in life)テスト」をご用意しました。


現在のご自身またはパートナーの生きがい度(適応度)を測れるツールの一つにもなります。


点数が低かった場合…

物事の考え方に癖が出ている可能性が高いので、それを直していく必要があります。

詳しい直し方は下記の記事で解説をしていますので、参考にしてみてください。


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生きがい度のセルフチェックテスト

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[配点内容]

(70点満点)

55点以上…適応度が高い

40点以上55点未満…中度の適応レベル

40点未満…適応度が低い


[テストのやり方]

質問文の右側に1~7の数字がふってあります。

現在の気持ちに最も近い数字を選んでください。


[質問項目]

1.私は普段

退屈しきっている     …1
             …2
             …3
どちらでもない      …4
             …5
             …6
元気一杯で張り切っている …7


2.私にとって生きることは

面白くてワクワクする …7
           …6
           …5
どちらでもない    …4
           …3
           …2
全くつまらない    …1


3.生きていく上で私には

何の目標も計画もない  …1
            …2
            …3
どちらでもない     …4
            …5
            …6
明確な目標や計画がある …7


4.私という人間は


目的のない無意味な存在だ   …1                …2                …3 どちらでもない        …4                …5                …6 目的を持った意味のある存在だ …7


5.毎日が

変化に富んでワクワクする …1
             …2
             …3
どちらでもない      …4
             …5
             …6
全く変わりばえがしない  …7


6.もしできることなら

生まれてこない方が良かった …1
              …2
              …3
どちらでもない       …4
              …5
              …6
この生き方を繰り返したい  …7


7.定年退職後、私は

前からやりたかった事をしたい …1
               …2
               …3
どちらでもない        …4
               …5
               …6
毎日をなんとなく過ごすだろう …7


8.人生の目標の実現に向かって

全く何もやっていない …1
           …2
           …3
どちらでもない    …4
           …5
           …6
着々と進んできている …7


9.私の人生には

虚しさと絶望しかない    …1
              …2
              …3
どちらでもない       …4
              …5
              …6
ワクワクすることが沢山ある …7


10.もし今日死ぬとしたら、私の人生は

価値のある人生だったと思う …7
              …6
              …5
どちらでもない       …4
              …3
              …2
全く価値がなかったと思う  …1

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変化の多い世の中で適応する2つのコツ

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急な環境の変化などに適応しながら社会でうまく生きていくためには、

①自分が何を欲しているのかを知る

②相手が何を求めているのかを知る

この2点が大切になってきます。


というのも、

優越したい気持ちと受け入れられたい気持ちがぶつかり合うと、その葛藤に耐えきれなくなって適応障害を発症します。


さらに、

  • 幼少期の親との関係を整理し直す

  • 人生において意義を見出す(やりたいこと、行きたい場所など)

  • 物事への強い思い込みや、ネガティブ思考を変えていく

などのことをすることが、適応障害を克服することにつながっていきます。


そのためにはまず自分自身の気持ちに向き合って、何が欲しいのか、どんなことを感じているのかを知る必要があります。


自己分析をしっかりとして自分のことがよく分かるようになると、その分だけ相手が何を求めているのかも想像しやすくなります。


①ができると②は割と簡単です。


どうやって自己分析したらいいか分からない場合は、下記の記事にある心理テストをやってみてください。



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ストレスと向き合うのに役立つ3つの要素

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生きていく上でストレスはつきものですので、ストレスとの付き合い方が適応障害を乗り越えるために重要になります。


同じストレスを抱えてもそれをうまく乗り切れるかの要素は

①ストレスの負荷の強さや持続期間

②ストレスへの対処法

③支えてくれる環境や人

この3要素のバランスが大切なってきます。


特に

ストレスの負荷の強さや持続期間<ストレスへの対処法+支えてくれる環境や人

になると、ストレスに潰されることなく生活を送れるということになります。


  • 最近また調子が悪くなった

  • 元気が出てこない

という場合、このバランスが崩れているということになります。


  • もっとストレスへの負荷を小さくするか

  • あなたを支えてくれる環境や人を増やすか

のどちらかです。


なので、もし現在会社に毎日行っているのであれば、

  • 休職や短期間の休養を願い出る

  • パートナーやご自身の家族、気心の知れた友人に現状を相談

  • あなたにベストな環境作りをしてもらう

などの対応を取っていく必要があります。

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適応障害の克服には家での〇〇〇が不可欠

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適応障害を改善していくためには、何よりも周囲の理解と支えが重要です。

つまり家での安心感が必要不可欠となります。


「そんなことでクヨクヨしてるなんて情けないわね」

と言うのではなく、

「ゆっくり休んだらいいよ」

と安心感を与えてあげると、本人は焦らずに休息ができて心のダメージを回復することができます。


まとめると…

[パートナーが適応障害の場合]

仕事を休んだことを責めずに、本人の苦しみを考慮してゆっくりと休養を取らせましょう。

元気になるまで励ましの言葉をかけて回復を見守ることが大事です。


[ご自身が適応障害の場合]

あなたの辛い気持ちや状況を理解して、安心して心の傷を癒せる環境や人を探してみましょう。


もしパートナーから理解が得られないというのであれば、

  • 同じ悩みを持っている人とネット上で意見交換をする

  • 専門家に相談する

というのも一つの方法です。

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さいごに

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適応障害は病気ではないので、まずはゆっくりと休んで、回復に向けて心の免疫をつけていくことがポイントになります。


そのためにはストレスに耐えられるような「考え方」を身につけることが大切です。

「性格」ではなく「考え方」を変えましょう。


そして、ネガティブな思い込みをポジティブな思い込みに変えられると、一気にストレス耐性がついて不適応に陥ることが少なくなるはずです。

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