適応障害とパーソナリティ障害の改善法【家族ができる対応法もあります】
こんにちは、メンタル心理カウンセラーのみほ(@mindow.jp)です。
いつもお読みいただきありがとうございます♪
「先日、旦那が適応障害とパーソナリティ障害の診断をされました。
家族として治療に向き合っていきたいのですが、適応障害とパーソナリティ障害の違いが分かりません。
どう対応していくのが良いのでしょうか?」
「過去にパーソナリティ障害と診断されたのですが、最近では適応障害ではないかとも診断されました。
薬もあまり効果がなく、同じ症状を繰り返す日々が辛いです…
どうやったら改善できるのか知りたいです。」
とお悩みではありませんか?
本記事では
- 適応障害とパーソナリティ障害の関係性とは
- 適応障害とパーソナリティ障害を併発してる際の改善法
という内容で解説していきます。
本記事を読むことで
- パーソナリティ障害の人が適応障害になるワケ
- 各パーソナリティ障害ごとの適応への効果的な対応
が分かります。
⬇︎もくじ[開く]を押すと、好きなところから読み始められます♪
もくじ
適応障害とパーソナリティ障害の違いとは
パーソナリティの違い=適応の違い
適応障害がよく分からないという方は、下記の記事も一緒に読んでみてください。
遺伝的な要素と環境が影響しながら、私たちの考え方や行動パターンが出来上がっていきます。
例えば
親がいつも家にいなくて自分のことを全て1人でやらなければいけない環境で育った子供は、
- 他人をあまり信用しない
- 素直に甘えたり頼ることができない
などの特徴を持った大人になりやすい傾向があります。
これも少なからず育った環境が影響していることになります。
これがパーソナリティ(人格)というものですね。
一般的には
18歳を過ぎた頃から固定化されて、
20代前半にはその人のパーソナリティがほぼ完成する
と言われています。
つまり20代前半の時点で怒りっぽくて物に当たるようなパーソナリティを持っている人は、それが自分のパーソナリティのスタイルとして確立されるということです。
パーソナリティの違いは、そのまま適応の違いに関わってきます。
言われてみれば当たり前かもしれませんが、同じ環境下にいても
- ストレスへの対処法
- どうやってその環境に適応していくか
などは、性格の違いによって変わってきますよね。
なので、適応障害を考えていく上で、その人がどのようなパーソナリティを持っているかを考えながら対応をしていくことが大切になってきます。
パーソナリティ障害の特徴を解説
パーソナリティ障害は10種類あります。
それらを全て紹介していると記事が終わらなくなってしまうので、今回は5種類に絞って解説していきます。
その5種類とは以下のとおりです。
①回避性パーソナリティ障害
②依存性パーソナリティ障害
③強迫性パーソナリティ障害
④境界性パーソナリティ障害
⑤自己愛性パーソナリティ障害
一度は耳にしたことのある方もいると思いますが、簡単にそれぞれの障害の特徴を見ていきたいと思います。
①回避性パーソナリティ障害
[特徴]
- 新しいことに挑戦したり、責任が伴うことを避ける
- 人付き合いは表面的なものが多く、深入りを避ける
- 実力より下の仕事で満足して、負担が増えるのを嫌う
- 「自分は能力がないからどうせ失敗する」という思い込み
- 小さい頃からあまり褒められたことがない
②依存性パーソナリティ障害
[特徴]
- 「自分は無能だから1人では何もできない」という思い込み
- 相手の顔色を見て機嫌をとるので気疲れしやすい
- 自分の代わりに判断、指図してくれる人を周りに置く
- 小さい頃に親から支配されて言いなりになることが多かった
③強迫性パーソナリティ障害
[特徴]
- 既存の枠組みやルールに対して強いこだわりを持つ
- 計画や予定通りに物事を行うことを好む
- 正論を言いすぎて周りから煙たがられることがある
- 最もうつになりやすいタイプ
④境界性パーソナリティ障害
[特徴]
- 「自分の要求を叶えてくれないなら死んでしまう」という考え
- 親しい関係になると急に依存したり不安定な行動が目立つ
- 小さい頃に親から見捨てられたり、不安定な環境で育った
- 気分の変動が激しく、強い不安や自己否定感を持っている
⑤自己愛性パーソナリティ障害
[特徴]
- 他人に対して共感や思いやりに欠け、孤立を招きやすい
- 「自分は特別」「自分は他の人とは違う」と考える
- 自分本位に相手を打ち負かそうとして人望を失いやすい
- 自分への批判を否定して賞賛してくれる人を好む
- プライドが高く他人を見下す親に育てられた傾向
自信のなさを補う過程で適応障害になる
それぞれのパーソナリティ障害で色々な特徴があるのですが、どれも根底にあるのは「自分に自信が持てない」ということです。
その自信のなさを補う方法として
回避性パーソナリティ障害の人
➡︎自分が傷つくような失敗を避ける
依存性パーソナリティ障害の人
➡︎他人に頼ることで安心感を得る
強迫性パーソナリティ障害の人
➡︎枠組み通りに約束や計画を忠実に守る
境界性パーソナリティ障害の人
➡︎自分の命を引き換えに捨て身になる
自己愛性パーソナリティ障害の人
➡︎他者を見下したり自分を過大評価する
などが使われているのです。
では、それぞれのパーソナリティ障害において適応を改善していくためにどのようなことを気をつければ良いのでしょうか。
ここからは、プレミアム会員の方限定で
- 各パーソナリティ障害の人が陥りやすい落とし穴
- 適応障害を治療する上でのポイント
を解説していきます。
適応障害とパーソナリティ障害を併発してる際の改善法
本人に「自分にも〇〇〇〇がある」と思わせる
[premium]まずは、回避性パーソナリティ障害の人の適応への方法を解説していきますね。
改善のポイント
本人に「自分にもできる事がある」と思わせる
スポットライトを浴びたくないというわけではないですが、実際浴びるとなるとそれ自体が大きなプレッシャーとなってしまうのです。
もちろん褒められたいとも思っていますが、褒められるのも重荷に感じてしまいます。
なぜなら
「褒められたら次は失敗できない!」
と思ってしまうからなんですね。
本人にとっては期待されること自体が重荷なのです。
「誰にも気づかれないところで、人目を避けながら気楽にやっていきたい…」
というのが本音といったところでしょうか。
サポートする側の対応
できたことだけを指摘することが大切です。
ですが、褒めすぎてそれがプレッシャーになるといけないので、淡々と結果を告げるくらいでOKです。
ちなみにご自身がこのパーソナリティを持っている場合は、
- 過度に褒めたり期待をしてこない
- 肯定的な指摘をしてくれる
などの人を周りに置くと良いでしょう。
このパーソナリティの人が適応障害を起こすのは、
- 何かに失敗した時
- 周りから否定的な評価をされた時
で、もともと乏しい自信がさらに打ち砕かれた時です。
なので回復させるためには、自信を回復させるプロセスが重要になります。
失敗から学んで挽回できれば良いのですが、それができれば適応障害にはなっていないはずです。
コツとしては、最初は失敗したことと全く関係のない別の話題から入って、本人が自分にもできることがあると思えるようにすることが大事です。
相手の〇〇を受容して自分の〇〇を伝える
[premium]2つ目は、依存性パーソナリティ障害の人の適応への改善法です。
改善のポイント
相手の主張を受容して自分の意思を伝える
自分の代わりに判断、指図してくれる人を周りに置く傾向があるということは、それだけ普段から相手に合わせることが多いということです。
つまり、
- 自分の意思を持っていない
もしくは
- 持っていたとしても明かさない
ことが当然のことになっています。
しかしこのやり方で対人関係を築いても、自分自身の人生を生きることはできなくなって、最終的に本人が行き詰まることになります。
うまく適応できるためには、
自分で考えて判断し、自分の責任で行動する
という主体性を身につけていくことが大切になります。
自分の考えを言うということは、時として批判されたり一部の人を敵に回したりすることもあります。
でもそれと同時に、もっと大事なもの(=自分と似た考えを持っている人)を引き寄せたり、本来の自分を取り戻すことにつながります。
自己主張の仕方
とはいっても、長年相手に合わせることに慣れている人がいきなり自己主張しようとしても、うまくいかないことが多いです。
その時は、
相手の主張を受け止めてから自分の意見を伝える
というやり方をすると良いです。
例えば
「確かに〇〇さんの言ったことも正しいと思いますが、~~っていうこともある気がします。」
「〇〇さんの言う通りだと思います。
でも個人的には~~でありたいと思ってます。」
といった感じです。
何度もやるうちにだんだん自己主張がしっかりとしたものになっていきます。
そうすると周囲から支配されることも減って、自然と主体性が身についてきます。
人間的な〇〇〇を大切にし価値観を押し付けない
[premium]3つ目は、強迫性パーソナリティ障害の人の適応への改善法です。
改善のポイント
人間的な温もりを大切にし、価値観を押し付けない
このパーソナリティは最もうつになりやすいタイプですので、責任感や義務感などを抱えすぎないようにすることが大切です。
どうしても正論ばかり言って周囲から孤立することが多いです。
ルールや決められた枠組みの中だけで物事を見るのではなく、
- 相手の事情を汲んで労いの言葉をかける
- 共感を意識的に増やす
ようにしましょう。
会話の内容も
- 客観的な知識ばかりではなく自己開示をする
- 自分の気持ちを積極的に伝える
などを心がけると、一緒に楽しみながら会話ができるようになります。
このパーソナリティの人は、気がつくと説教ぽくなってしまったり自分のルールを押し付けがちなので、意識してなくすようにしていきましょう。
全て完璧にやろうとしない
自分がやるしかないと考えてしまう傾向があるので、
やるべきことを全てやることが1番良いことではない
ということに気づくことが適応への改善において大切なことです。
その日のうちにできないことが出てきても、仕方がないと諦めて次の日以降に先送りする勇気を持てるようになると良いですね。
- 少ない労力で効率的に動く
- 精神的にゆとりを失わない
ということが1番大切であり、うつになることを防ぐことにもつながります。
本人ばかりが精根をすり減らす必要は全くないということに気がつけるようになると、適応への改善が進みやすくなります。
いつも変わらない〇〇〇〇で関わる人を探す
[premium]4つ目は、境界性パーソナリティ障害の人の適応への改善法です。
改善のポイント
いつも変わらないスタンスで関わる人を探す
このパーソナリティの人は
- 他人に傷つけられることにとても敏感
- 些細な発言を自分に対する否定や拒否と受け止める
傾向があります。
なので相手の発言をネガティブに受け止めすぎないことが、適応への改善において重要になってきます。
誰かと会話をしていた時に傷ついたなと感じた時は、相手の発言を悪く受け止めすぎていないかを冷静に考え直してみることが大切です。
小さい頃の育った環境の影響で、強い見捨てられ不安を抱えています。
適応障害と境界性パーソナリティ障害の両方を根本的に改善するためには、
- 見捨てられるという不安が思い込みであること
- もっと相手を信用してもいいこと
を心から理解して納得できるようになる必要があります。
そのためには情緒が安定していて、いつもどんな状況でも変わらないスタンスで本人と関わってくれる人を1人でもいいので見つけられると、症状が軽くなっていきます。
[/premium]問題を指摘する時は〇〇〇〇〇に言うかに注意
[premium]そして最後は、自己愛性パーソナリティ障害の人の適応への改善法です。
改善のポイント
問題を指摘する時はどんな風に言うかに注意
このパーソナリティの人は、自分の弱点や問題に向き合うのが苦手です。
仮に本人に指摘して改善するように促しても、むしろ問題を指摘する人を、
「自分を理解してくれない人」
「不当に批判してくる人」
とみなすようになり自分の目の前から排除しようとして避けるようになります。
普段から会話する時でも
「何を言われるか」よりも「どんな風に言われるか」
を気にする傾向があります。
なので何か問題を指摘する時は
「私(俺)はこんなにあなたに関心を持っていて、あなたを思っているからこそ、こういう風にした方がいいと思うんだけど、どう思う?」
というように、本人のプライドをなるべく傷つけないように配慮しながら話すようにしましょう。
このパーソナリティの人は、どうしても仕事よりも家庭や結婚生活において困難を抱えやすいです。
もしあなたのパートナーがこのパーソナリティを持っているのであれば、
- 欠点に気づいてもそれをあえてスルーできる寛大さ
- 良いところにだけ目を向けて、徹底的に共感的な肯定をする根気強さ
が持てるようになると、本人からの安心感を得られやすくなります。
さいごに
[premium]今回は適応障害と各パーソナリティ障害の関係性、それへの改善法を簡潔に解説しました。
読者さまの中で「特定のこのパーソナリティ障害の対応法が知りたい」という意見などがありましたら、
お気軽にmindow178@gmail.comまでメール、もしくは本記事のコメント欄で教えてください♪
本人のパーソナリティそのものを変えていくには時間がかかりますが、
- どういう点で不適応を起こしやすいのか
- どういう介入が効果的なのか
を各パーソナリティ障害別に知っておくことで、対応や改善がスムーズに運ぶようになります。